野生鳥獣による被害を防ぐために
近年、イノシシ、ニホンジカ、アライグマ等の野生鳥獣による農作物被害が深刻化しています。
これら野生鳥獣による被害を防ぐ対策は、大きく2つに分類されます。1つは野生鳥獣を田畑や集落に防護柵等を設置し、近寄らせないことによって被害を防ぐ「被害防除」。もう1つは野生鳥獣を直接取り除くことにより被害を防ぐ「捕獲」の2つがあり、これらを組み合わせて行う必要があります。
野生鳥獣による被害を防ぐためには、野生鳥獣の習性などを正しく理解すると共に、住民の皆様、関係団体等が各々の役割分担のもと連携を図りながら、対策を進めることが重要となります。
被害防除について
個人の所有物である農作物等を鳥獣から守るという意味で、被害防除は住民の皆様自らが行うことが原則となります。
鳥獣を田畑や集落に近寄らせないため、以下の取り組みがあります。
- 田畑や集落をエサ場としての魅力を下げる。田畑や集落の周辺に野菜等の残渣や放任果樹があると、野生鳥獣を呼び寄せる要因になります。農作物の味を覚えさせないことです。
- 隠れ場所を作らない。耕作放棄地や田畑・住家周辺などのヤブ地は野生鳥獣の隠れ家となります。適切な刈り払いを行い、周辺の隠れ場所をなくすことです。
- 田畑等に侵入させない。田畑等の周りに電気柵やワイヤーメッシュ柵等の防護柵を設置することが有効です。また、侵入してくる野生鳥獣を足跡や糞などの生活痕跡により特定し、対象となる野生鳥獣に応じた防護柵を設置することが効果的です。侵入できると思わせないことです。
- エサを与えないこと。可愛いからといって、野生鳥獣にエサを与えないでください。
捕獲について
野生鳥獣は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」により保護されているため、自由に捕獲することはできません。狩猟免許を取得すると狩猟期間の捕獲が可能となります。
ただし、いくら自衛しても農作物や生活環境に害を与えるような野生鳥獣が多発する場合、狩猟期間中以外でも有害鳥獣として捕獲することができます。その際、本町では、狩猟免許を取得し、和歌山県猟友会伊都支部高野分会に入会し、許可を受ける必要があります。
※アライグマの捕獲については、本町が策定している防除実施計画に基づくアライグマ安全防除講習受講者であれば、狩猟免許を有しない方でも捕獲できます。
野生鳥獣による被害が発生した場合
効果的な対策を実施しても野生鳥獣による被害が発生するときは、被害の状況・実態を正確に把握することが必要になります。被害があった場合や被害を発生させる恐れがある野生鳥獣を、人家や農地の近くで見かけた場合には、被害届を記入し、町内会長、または区長に有害鳥獣捕獲依頼書の提出を依頼してください。提出された地域の有害鳥獣の捕獲、または捕獲強化を猟友会に要請します。